
―クロス職人になるキッカケは
僕が20歳の時ですね、その当時、今は違うんですけどお付き合いしてる人がいて、結婚を考えた時に一番何が現実的にいいのかなとなった時に職人だなと思ったんです。手に職っていうのが。自分のスキルで稼いでいける、そういう技術がほしかったんで。それで僕の父が職人だったので「どっか紹介して」っていうふうに言ったらじゃあっていう感じで職人を始めました。
―クロス屋道場(テシオ)の良いところ
クロスをテシオでやれたというのは僕的には恵まれてたかなと思います。なぜかと言うと、やっぱり現場が豊富なので、いろんなハウスメーカーの仕事がこう、作りとかも全然違うとことか材料が違うやつとか、決まったものじゃなくて違う現場でいろいろ学べました。あと職人さんが多くて、応援とか行った時にその職人さんごとのいろんな知識とか技術とかスキルを学べたので、すごく良かったです。


―『育成組織テシオクラフト』の管理業務とは
管理ですね。彼らのマネジメントというか人の管理です。あとは財務のことも経営としてやってます。メインは若手の日本人の職人を育てようということです。外国人が今後増えていくと思うので、その時に日本人と同じようにできる外国人というのができてくれば、日本人と外国人の差はなくなると思います。クラフトは技術とかスピードもそうですけど、あらゆる面で日本人と外国人という差をなくしたような、区別しないような組織にはしたいです。
外国人に関しては組合を通さなくちゃ雇い入れができないので、管理団体を通してからじゃないと受け入れられないです。だからホームページで主に募集するのは日本人の若手の職人ですね。
―外国人雇用は組合を通して
外国人との接点は組合です。管理団体があるんですけど、ベトナム人を人材派遣というか人材紹介をしてくれる管理団体があって、現地に面接に行ってそこで選んで組合を通してクロス屋道場(テシオ)で働いてもらうという感じです。今みんな、外国人はベトナム人です。一応責任者講習というのがあって、確か技能実習責任者ですかね、今はまだ大丈夫なんですけど今後それがないと実習生を雇い入れちゃいけないというのはあります。
一方で、日本に高校生くらいの時に来て永住権持っている方はそれでもう日本人と同じように働けるんです。この業界は法律で単純労働としてみなされてるんですね。単純労働だと外国人労働者というのは就職できないというか働くことができないので、それで技能実習制度っていう、インターンなんですけど、っていうのを活用して単純労働の方も研修という形で働けるようにしたのが技能実習生です。


―『特定技能ビザを持つ』外国人雇用も
あと外国人でももう一つビザがあって、特定技能ビザっていうのがあるんですけど、それだと単純労働でも働けるんです。技能実習生が3年終わって新しいビザ、特定技能ビザというのを取ると建築業で日本人と同じように働くことができるんですけど、そういう方ももし入りたい方がいたら欲しいですね。
一応実習生3年が終わればその資格がもらえるんです。向こうで入管の手続して日本の入管でも手続してクリアすればこっちに来て働けるという感じです。実際にテシオクラフトでも2人、まだ来てないですけど特定技能ビザ持ってやって来ます。
―寮内や職人さん同士で気をつける点
寮の中や職人さん同士でも仲良くできるように、それはやっぱり気を付けてはいますね。僕が嫌なことはしたくないなというのがあります。あんまり頭ごなしに上からとか、そういうのはしないようにしてます。現場ではちゃんと指示を聞くように、切り替えができるようにっていう文化じゃないですけど、そういう雰囲気にはしています。


―評価システムで『職人の地位を上げていく』
牛耳ると言ったら言い方悪いですけども、職人が活躍できる世の中であるべきだと思うんです。職人って一番最下層というか、一番搾取される人たちなんです。そういうのを変えたいと思います。あとはちゃんと評価されなかったりするんです。技術があるのに評価されなかったりとか。そういうふうに思われてる人とかがいたりするんで、そうじゃなくてちゃんとした評価システムというのを作って、みんなのそういう評価システム、そういう基準を作りたいです。
将来的には日本全国の職人が人材評価システムじゃないですけど、同じような評価システムで管理できるというか、評価システムの構築したいです。会社によって評価の仕方が違うので、こっちだと評価が高いのにこっちだと低いとかじゃなくて総合的に見てどうなのかというプラットフォームじゃないですけど、人材紹介評価システムというのが作れれば面白いかなとは思ってます。何にしても人が大事なので、やっぱり人がどれだけうちに来てもらえるかというのが。人さえ集まればなんでもできちゃうんじゃないかなと思ってます。
―『80点を沢山できる職人さん』を育成したい
職人さんって、僕の考えでは100点中だったら80点でいいと思ってるんです。何年かちゃんとやれば0点から80点ってすぐいけるじゃないですか。ですが80点から100点ってもう結構無理なんですよ。100点の職人を目指そうとしたらもう10年20年かかる、とかじゃなくて80点できたらそのスキルというか自分の資産を生かして別のことやった方がいいかなと思うんですよ。そっちの方がチャンス広がると思います。
この職人で80点ができたら「技術ができたら」次は「人を教えることをやる」とか、それで80点できたら違うことをやるとか。そうすると職人だけっていう資産じゃなくて、技術的な資産だけじゃなくて他のこともできていって、総合的にお金を稼げる人というか、もっと世の中の役に立つ人になると思うんですよね。職人で100点を目指す労力があればその20点分を違うところに、人を教えたりとか。そういうチャンスをテシオクラフトで作りたいとは思ってます。


―『建築×ITで職人資産』を積み上げてる仕組みを
あと資産が大事だと思うんですよ。今目先稼ぐお金が大事なんじゃなくて「資産をどう運用するか」が大事だと思うんですよ。だから職人、覚えたら今ずっとその資産を稼ぐためだけに使うじゃなくて、もっと広げるために使ったほうがいいと思うんです。僕も今職人はどう人を教えるかとかそこまで完全にはできてないですけど、だんだんやってきて、次何かと言ったらやっぱりITだと思うんです。ウェブとかIT系がけっこう学びたいなと今思っていて、テシオクラフトもそういうところに力を入れていこうかなと思っています。今トレンドで「建築×IT」って結構すごいじゃないですか。お金もかかりますけど、最初はまず人があってそこから始めていってというところですね。評価システムってできそうなんですよね。人が集まれば、ちゃんとやればプラットフォームになれると思います。
他の会社とかにそのシステムをほぼ無料みたいなので提供してもいいと思うんですよ。その代わりデータ頂く、情報社会だと思うのでビジネスになりそうですね。そこまでいったら最強だと思うんですけど、それやりたいなと思ってます。